【舞台】なんとなく、ありがたいもの。
書きました。
11月17日(日)に開催される『古典芸能のつどい』、
平成25年度の今年は秋田市芸術祭の第56回で国文祭プレバージョンとして前年度イベントの扱い。
「第29回国民文化祭・あきた2014」の応援業事業でもあります。
- 会場は秋田市文化会館大ホール。
- 開演時間は午後一時、終演予定が三時半頃予定というコンパクトな公演です。
箏曲・篠笛・尺八・日本舞踊の十団体による競演で、
ここの人も【長唄“五郎”(時致/雨の五郎)】で5番目に出演させていただくのですが。
その演目の小道具として、
“天紅の文”を作りました。
寸法は八尺ほどありました・・・。
今でこそ六尺の背丈は大男の部類には入りませんが昔は六尺といったら、かなり大柄と思われたものです。
ちなみに、そんな六尺という寸法は褌(=ふんどし)の寸法だったり。
ろくしゃくふんどし【六尺褌】
晒(さら)し木綿6尺をそのまま用いる男性の下帯。
さらしが、そのまま六尺という寸法だったわけですね。
そんな六尺褌より長い巻き手紙です(褌換算は止めなさいw
しかし筆文字というのは、ありがたいものでして。
遠巻きには何が書かれているかわからないんだけれど、なんとなくそれらしく見えるから不思議です。
何の誰兵衛が屁をこいた〜的なことが書かれていても筆文字でサラサラーリとやられると、
なにかしら雅なことを想像してしまいます。
もちろん屁をこいた的なことは書いてはおりませんよ(笑)
自分、書道は小3と短大時代と大人になってからの数年間、3人の先生に師事しておりました。
本格的に習ったのは20代前半の3〜4年ばかりでして、
とても尊敬できる師に巡り会ったのですが指導をお止めになるということで泣く泣く筆を置きました。
これから指導者になる方向の資格を取って、という時期だったので。
先生も残念がって系列の他の先生を紹介してくださったのですが、
どうしても先生のように字そのものとお人柄に惚れ込むまでに至りませんでした。
習っていた時は筆遣いの基礎と基本的な書体、
半紙と条幅で毎月の課題や昇段試験用の作品を書いていました。
実用書道的なもの(日常に役立つような筆文字)は後からでも学べるという先生の方針で、
小筆の文字や“かな文字”は習う機会がなかったので。
今回の様に巻き手紙に書く、となると大変に困ります。
・・・そんな機会は滅多に与えられてはいませんが。
日舞小道具ですので当たり前に市販(然るべきところでの取り扱い)されているのですが、
練習用の紙のもので4,000円程度。
正絹のものになると12,000円ほどするようです。
価格としては馬鹿高いわけでもないかもしれませんが自分には高額。
しかも何回も三回も、五回十回とこの演目が舞台に上がるわけではないので。
自分の書いた物で、よいではないかと。
大概こういうことは師匠がやれ、というゴーサインを出して制作が決まります。
もう舞台まで10日となったので、いい加減師匠にプレッシャーをかけられようやく重い尻を上げました。
久々に筆を持ったし、しかも小筆には全く慣れていないし。
お前の母さんでべそ、ついでにお前もでべそと書くわけにはいかないので。
(客席からは何が書いてあるかはわからないので構わないと思いますが←!?)
手本がないと厳しい、と思い。
ネット上で、かなの手本を無料配布されているところからいただいてきてプリントアウトしました。
読む方が読めば何が書かれているかバレバレ。
しかも崩し方がインチキなのでこれは違うと激しき指摘されそうですが勘弁してください。
書としては認められない代物ですが、あくまで舞台小道具なので許してにゃん(ぉぃ。
基本的に筆というものが好きなので思わず夢中になってしまいましたよ・・・。
しかし、ここでネタバレですが。
手本を見て書くには、あまりにもボリュームが有り過ぎなので。
プリントアウトしたものをなぞりました(汗)
それでもできる限り丁寧に心を込めて綴りました。
筆で書き終えてから天紅(天=上の部分を紅で染める)をほどこしました。
こちらのほうが、よっぽど難儀で。
なかなか乾かないので机やらストーブやらに渡して八尺の寸法をクリア。
なんとか形になりました(´・ω・`)=3ホッ
これは舞台一度限りの小道具なので、それまで大事に保管しておきます。
舞台に立つということは、
このように踊る以外の用事が割とあります(先には音源を編集した)。
どちらかというと、そちらの「踊る以外の用事」に嬉々として取り組むほうで。
舞台は自分以外の誰かが立ってくれるのが、よりベストだなーと思います。
あと10日かぁ、、、(´ε`;)ウーン…(がんばれよw
追記。
なぞり書きしたものを筆文字というのも憚られるので、いたずら書きをうpしておきます。
これは手本を見て臨書しました。
あ!名前バレバレ!!(笑)
上手くは書けませんでしたが、なんとなく筆だとそれなりに見えるという証明になるかしらん(?ω?)。