色気より食い気。

【別れはいつだって辛く切ない】

5年半の相棒とサヨナラした話。

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娘からわたしに乗り換えた相棒(主語とは)

別れは人とは限らない。

相棒が人とは限らない。

誰かより一緒にいる時間が長いのが車だっていい。


5年半近く長い時間を共に過ごした愛車と別れてきた、といえばネガティブだし。

次の車に乗り換えるため手放した、といえば前向きに聞こえる。

当然どちらの意味もある。

そして、そろそろ乗り換えよっかな〜などとカタログをめくるような。

めくるめく、あの甘美な時間は今回は手に入れられなかった。



もちろん自分で選択して出した結論だったけれど、

やむを得ない事情があって手放したという方が正しい。

そして乗り換えたのは娘が3年前に購入し、わが家の隣の駐車場に停められていた軽自動車。
(画像のそれ)

新鮮味や、ワクワクやドキドキは(今回は)手に入らなかった。


決して今度の相棒を嫌っているわけじゃない。

どちらかと言うと、どちらかと言わなくとも。

好ましい印象を持っている。


ただ、そう。なんだろう。

近しい人の元彼と付き合うみたいになった、なんだかそんな複雑な気持ちがあるのだ。

その「近しい人」を「娘」に置き換えると、ものすごく生々しい雰囲気が醸し出されるので。

そこはあえて近しい人に置き換えた。


ずっと前(3年前)から知ってるし、なんなら一緒に過ごしたこともある。

3人で(2人と1台)出掛けたこともあれば、2人で(1人と1台)走ったこともある。

気心が知れていてクセも丸わかり、どういう場面で「ううう〜ん」と不機嫌になるのかも。
(急勾配の登り坂とか。とにかく体力がない。)

結構金遣いが荒めとか(燃費の話だ)、でも他の人には優しめとか(後部座席はスライドドア。車内空間は広く天井も高いとかいう話だ。)

様々、細部も知っている自分のものではない他者のものが。

本日を以て「どうも相棒です、どうも。」と。


うん。君は昨日までMの相棒だったけどね。


そのMは違う相棒を手に入れて、その相棒を連れに自分の相棒と引き換えに出掛けてきた。

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奥の緑がわたしのだった(手前が娘のになります)

Mの新しい相棒のスペックとか、クセとか能力とかの説明を(わたしが)受けたりして。

なんだかなぁ、、、という複雑な心境で。

ディーラーを後にした。

ミラー越しに娘と同世代の担当者さんが深々と頭を下げているのを、

窓全開で応えながら連れ帰ってきた。


大抵、別れは辛く切なくとも先に次の相手が決まっている場合。

もう身も心も新しい方に向いていて。

1日でも早く切り替えたいと思っていそうな物だが。

しつこいけれど次の相棒は娘の・・・


そういうことを繰り返していると相棒が、

お前の思う通りに動いてなんかやんないんだからねとヘソを曲げそうなので。

いい加減この程度にしておこう。


5年半近く、ものすごく濃密な想い出が詰まった箱(奥のみどりの)を手放したので。

感情には振り回されないタイプの自分も、ぐっとくるものがあったし。

今朝まであったその姿がない、がらんとした車庫を見ると悲しい気持ちになるけれど。

大事に無傷で無事故で乗ってきた車だから、きっと丁寧な乗られ方をするだろう。


今日からの相棒にも、これからのことを頼みつつ。

車内に小物類を装着して準備を調えた。

軽自動車を相棒にするのは28年ぶりくらい。

規模を縮小した、といえばネガティブだが。

身軽になって小回りも利く、といえば前向きか。


どうせなら後者を選ぼうね。

新しい相棒とも、たくさん新しい想い出を積み重ねようと思う。

まずは思いの外、上背のある(車高だよ)彼をスンナリ車庫に収められるようにしないとね。

いずれはレシピ本でも書籍化してやr
高師直。