地味な料理人になりたい。
例えば履歴書に記入するとして。
もう既に「日本舞踊」は得意の項には書けなくなっている。
確かに38年以上も続けてきた唯一のものだ。
下手からのスタートであっても継続は力になると信じていたい。
とはいえ既に生業にして久しいから、
あらためて「特技は日本舞踊です」と書くのもはばかられる。
はばかられるというか、
それ以前に職歴や履歴、資格の欄に書くではないの。
わたしの特技って、いったい何があるんだろう。
趣味はなんですか。
一方、趣味の項には何と書くのだろう。
読書に音楽鑑賞は決してウソではないがベタではないか、と。
変な自意識が頭をもたげる。
今までは(ほとんど書く機会に恵まれないが)料理やドライブと書いていたのかな。
特技の欄に、「車庫入れ」「縦列駐車」と書くのも何か妙な心持ち。
実際、得意だとは思っているけれど。
オートマの1500を駆っている程度で、ドラテク鼻にかけるのも。
結局、趣味には運転かドライブと書き。
さて、あらためて特技。
なんて書こうと悩むのだろう(そんな状況には陥ってない現状)
地味な料理人。
料理を特技とよんでいいものか。
誰に聞いても答えは返ってこないだろう。
得意料理は、と尋ねられて。
「ブイヤベース」「ボルシチ」とは答えないだろう(ぃゃ作るけれども)
「豚の角煮」「肉じゃが」とも言わないだろう(作れはするけれども)
「オムライス」「ハンバーグ」って線もないだろう(好きですけどね)
浮かぶのは、
「ひじきの煮物」「切り干し大根の煮たの」「ひりょうず」・・・
お婆ちゃんか(笑)。
なんだかんだといって、そんな自分が結構好きだったりする。
今日も買い物を済ませて1時間時間があったので、
- ドライトマト
- ミニトマトのマリネ
- 煮卵
を作った。
後で炒め物に使う、ひじきも戻している。
水切りヨーグルトも仕込んだし、ピクルスとぬか漬けの野菜もスタンバイOK。
結構なんだかんだと地味に料理人じゃないか。
履歴書の特技に書く書かないは、ともかくとして。
常備菜の女になりたい。
夫が酔って仲間を連れ帰って、
「二次会我が家でやりたいんだけど何かある」
と問われて「あるよ」。
息子が寝坊してきて、
「母さん!今日弁当なんだけど!」
と寝ぐせ頭のまま叫んでも「いいよ」。
姑が、
「モノスヤさん今日、グラウンドゴルフに持って行くもの何か。」
と急な要請でも「わかりました。お母様。」
サッとチャッとパッと対応できる妖精のような女でありたい。
いやそれ以前に、
夫も息子も姑もおりませんがね。
(トップ画像はドライトマトになる前の。これだけで実に旨そうでやばい。)